いつかその時がくるという心づもりをしておく
加齢によって身体に何が起きるかを知っておく
かかりつけ医に在宅医療を頼む
医療と介護の公的サービスの現状を知って使いこなす
「最後の2週間を幸せに生きる」と心に決める。
素朴な疑問1
いざ臨終のときに、本当に先生は来てくれますか?時間がかかった時、どうなりますか?
病院では医療者が看取りますが、在宅では家族が看取ります。主治医が臨終の場に間に合わなくても、病気の経過があり、その病気で亡くなったことが明らかであれば死亡診断書が発行できます。呼吸が停止してから少し時間が経過していても、法律的な問題はありません。
自宅での看取りを希望して最期の時間を過ごす際、ご家族の最大の不安は、夜間や休日でも、本当に医師は来てくれるのか、看護師は来てくれるか、いざという時に医師がいなければ法律的に何か問題が生じないかという点です。直接、医師に聞きにくいでしょうが、大変重要な疑問であります。結論を言えば、日本中の在宅医は、休日や夜間でも融通を利かせながら看取りを行っています。
実際には、家族に呼吸停止の知らせのあとに出向き、継続して診察している病気で亡くなったことが明らかであれば、死亡診断書を発行できます。臨終の瞬間に医師が立ち会えれば理想的ですが、呼吸停止後の訪問が一般的です。問題は呼吸停止の連絡のあと、どれくらい時間が経過しても大丈夫かという点です。法律では、時間の長さについての特に規定はありません。深夜であれば、連絡を受け直ちに伺うこともあれば、事情が許せば少し待ってもらうこともあります。ご家族の方が、医療者に気を使い朝を待って連絡をいただくもありますがが、法的な問題はありません。
携帯電話などで主治医と連絡がつき、的確な指示ができることが肝要だと思います。やはり、医療者と患者の信頼関係が在宅医療の基礎になります。当ステーションでのお看取りのケースでは、ファーストコールはエルハートナースケアに頂くことが多いです。心配なこと、不安なこと、医師に聞きにくいことでも、なんでも相談してください。共に解決していきましょう。
素朴な疑問2
看取りの実際と、亡くなった後のことを教えて下さい?
病院では医療者が看取りますが、家ではご家族が看取るケースが多いです。亡くなった後の処置は、訪問看護師が行います。在宅主治医は、死亡診断書を発行します。
残された時間が週単位から日数単位になった時の様子は、1)うとうと寝ているが、呼ぶと目を開け反応します。2)食事の量が減り、頬や目の痩せが目立つようになります3)訳のわからないことを話し、ちょっと興奮して手足を動かすことがあります。(せん妄と言います)4)便や尿を失敗することがあります。
※当ステーションでは、末期がんの⽅の症状や状態に合わせて、ご家族ができることをまとめたパンフレットもあります。 ご希望の⽅はお申し付け下さい。
そして、いよいよ死が訪れ、息を引きとられる時は
呼んでもさすってもほとんど反応がなくなります。
大きく息をした後10秒~15秒止まって、また息をする波のような呼吸になります。
顎を上下させる呼吸になります。下顎呼吸という最期の呼吸です。苦しそうに見えるかもしれませんが、ご本人はすでに意識はなく苦しみはありません。
やがて呼吸が止まり、ほぼ同時に脈が触れなくなり、心臓も停止します。
死亡が確認されたら、訪問看護師がエンゼルケアを行います。お体を拭いたり、服を着替えさせたり、医療的な処置も行います。病院で行っているのと同じように処置はできます。病院と違うところは、ご家族と共に、ご家族の思いや希望に沿って行えることです。
葬儀屋さんに連絡をします。ご希望があれば、在宅での看取りの経験が深い葬儀屋さんの紹介もいたします。お亡くなりになった後に、ご家族に頼まれ、その場で葬儀屋さんの手配をすることもありますし、事前に紹介を頼まれ、料金や葬儀の内容などの比較をされる方もいらっしゃいます。
素朴な疑問3
どの時点で医療者を呼べばいいの?
呼吸が停止してから呼ばれる方もいらっしゃいますし、呼吸状態が変化して心配なときにご連絡下さる方もいらっしゃいます。
その時が、近づいてきましたら、訪問の看護師や医師と、看取りについての相談をしますので、ご心配な時には、いつでもご連絡くださってかまいません。
素朴な疑問4
家で看取る時に準備するものは?
旅立ちの時の衣服(本人のお気に入りか、家族のご希望の物、下着など)
エンゼルケア(死後処置)に使用するための、体を拭くタオル(4~5枚)、シーツ(変えたい場合)
亡くなった後に、枕元に置く末期のお水(お好きな飲み物なんでも普段使っていたコップに用意してもらいます。)、ご飯、本人が使用していた箸など。
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