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自宅で看取るということ・自宅で死ぬということ VOL1

住み慣れた我が家で最期を迎えたい

「普通は病院で死ぬのでは?」そう考える人が多いのではないのでしょうか。テレビドラマなどでも見られるように、現在では末期がんや重度の病気になると病院に入院し枕元には医療機器が置かれ医師や看護師に囲まれ、そして家族や友人は病室のドアの前で最期の時を待っているのが一般的な最期の迎え方となってしまっています。

みなさんは自分の最期をどこで迎えたいかと考えたことはありますか。「できれば住み慣れた家で死にたい」「自宅で家族に見守られて死にたい」などと思っている人もいるのではないでしょうか。


でも現実は?

厚労省が出している在宅死亡率と病院死亡率の年次推移では80数%が病院で亡くなっています。がんの場合は90数%が病院です。在宅死は、10%に過ぎないという調査委結果が出ています。50年ほど前までの日本では病院や施設で死を迎えるということは稀なケースで、8割以上の日本人が住み慣れた家、つまり自宅での最期を迎えていたのです。1980年の総理府の調査では95%の高齢者が「家で死にたい」と答えていました。その後次第に数は減り、1995年の総務庁の調査では45%になってしまいました。


家族に迷惑をかけたくないという思い

なぜ、今は、本人が希望していても、在宅で死を迎えることが困難となったのでしょうか。なぜ自宅で最期を迎えたいと考えている人は多いのに病院で最期を迎えることになるのでしょうか。それは家族に迷惑をかけたくないという思いから来ている場合も多いように感じます。自宅で死を迎えるということは、最期を迎えるまでの療養生活を、自宅で家族が看護することになるということです。核家族化や少子化が進んだ現代では、介護をする人が限られてしまい、介護者の負担も増大しています。一昔前は当たり前だった在宅で最期を迎えられるということは、現代では希少価値があることなのかもしれません。


家でもターミナルケアはできる

医療の問題については、疼痛や呼吸困難などの症状のコントロールを図るというのが在宅緩和ケアの前提になります。実は、医療の問題の解決は、他の問題に比べて簡単です。医療の問題というのは、ある意味教科書もたくさんありますし、最近は、医療従事者を対象とした看取りの看護や医療についての勉強会は多く、当ステーションでの教育も時間を割いて行っています。在宅でも、点滴をしたり、モルヒネなどを使って疼痛コントールを行ったり、酸素を使用したりなどもできます。

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