自分の最期は自分で決める
本当は、少しでもお元気なうちに、自身のこれからの過ごし方や、最期の場所をご夫婦やご家族などで、話し合われるのが一番良いように思います。本人の意思決定が出来なくなったときに、ご家族が本人の人生の大事な終着点について決定しなければならないというのは、かなり辛い決断に感じています。
自分らしい生活を
末期がんや重度の病気になれば入院すると考えるのは確かに当たり前のように感じますが、できることならば病気であっても自分らしく生活がしたい、家族と一緒に貴重な時間を過ごしたいと思っている人は多いのではないでしょうか。病院で病気と闘うのも正しいと思いますし、自宅で闘うのも一つですし、闘わずに、家でゆったりとした気持ちで過ごすのもその人の生き方です。
家と病院、どっちの最期が満足?
私がこれまでに在宅でお看取りをされた方すべてが、家で看取って良かったとおっしゃっていました。ご家族の悲しみも計りしれませんが、どのご家族も、誇らしげなお顔をされているのが印象的でした。もちろん病院に搬送され亡くなられた方も、病院に良くしてもらえて良かったとおっしゃっている方が多いです。どこで最期を迎えても、携わった医療関係者が、ご本人やご家族を支えることによって、その人らしく過ごせることが大切だということだと思います。在宅でも病院でも、心ある医療従事者は、「これは本当に本人のためになっているのだろうか」と自問自答し、最期を迎える方が穏やかな時間を持つ事ができ、自分らしくいられる時間を過ごす事ができるよう、提供する医療、看護のことを常に考えています。
それぞれのドラマを大切に
私自身、終末期の在宅ケアとして、末期癌、老衰、呼吸器疾患などなど、幅広く経験させていただきました。それぞれに本人の思いや家庭の事情があり、ひとつひとつにドラマがあり、どの方も忘れることなく心に残っています。
在宅でたくさんの方々の最期の場面に立ち会わせていただき、皆さまがそれぞれの形で「命の大切さ」を私達に教えてくださいます。滅多に考えることはないとは思いますが、死は平等に誰にでも必ず訪れます。自分の最期をどこでどうやって過ごすかについて、真剣に考える時があってもいいのではないかと、最近とても強く思うのです。
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